女はいとものをあま 夕顔03章03

2021-04-18

原文 読み 意味

女は いとものをあまりなるまで 思ししめたる御心ざまにて 齢のほども似げなく 人の漏り聞かむに いとどかくつらき御夜がれの寝覚め寝覚め 思ししをるること いとさまざまなり

04033/難易度:☆☆☆

をむな/は いと/もの/を/あまり/なる/まで おぼし/しめ/たる/みこころざま/に/て よはひ/の/ほど/も/にげなく ひと/の/もり/きか/む/に いとど/かく/つらき/おほむ-よがれ/の/ねざめ/ねざめ おぼし/しをるる/こと いと/さまざま/なり

女は、ものごとを極端なまでに思い詰めてしまわれるご気性で、おふたりのお年のぐあいも似つかわしくなく、ことが発覚してはとご心配になるにつけ、ますますこうしてつらくなりまさる夜離れの夜々寝覚めるごとに、悶々とうちしおれてしまわれることがらがあれこれ実に多い。

女は いとものをあまりなるまで 思ししめたる御心ざまにて 齢のほども似げなく 人の漏り聞かむに いとどかくつらき御夜がれの寝覚め寝覚め 思ししをるること いとさまざまなり

大構造と係り受け

古語探訪

女 04033

御息所。男女関係を問題にする場合、身分にかかわらず、女と表記されることがある。

いとものをあまりなるまで 04033

極端なまで。生霊になる性格の伏線とみてよい。

思ししめたる 04033

思いつめるの敬語。

齢のほど 04033

女の方が七つ上という年齢さを指す。当時光が十七で、御息所は二十四。

人の漏り聞かむに 04033

二人の関係が世間に知れてはどうしようかとの心配。そう思うにつけ、関係が発覚するのみか、すでに二人の関係は冷めており、足の遠のいた男を独りさみしく待ちつづけるみじめな状態では、気の腐るばかりである。

夜がれ 04033

男の訪れがなく、性的にも満たされないで、独り寝がつづく状態。

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