いま一方は主強くな 夕顔02章08
目次
原文 読み 意味
いま一方は 主強くなるとも 変らずうちとけぬべく見えしさまなるを頼みて とかく聞きたまへど 御心も動かずぞありける
04030/難易度:☆☆☆
いま/ひとかた/は ぬし/つよく/なる/とも かはら/ず/うちとけ/ぬ/べく/みエ/し/さま/なる/を/たのみ/て とかく/きき/たまへ/ど みこころ/も/うごか/ず/ぞ/あり/ける
いま一人の女性は、仮に世話する男の見張りが強くなっても、いつでも身を許すにように見えた女の性格に安心し、いろいろの噂を耳になさるが心を動かされることはなかった。
いま一方は 主強くなるとも 変らずうちとけぬべく見えしさまなるを頼みて とかく聞きたまへど 御心も動かずぞありける
大構造と係り受け
古語探訪
いま一方 04030
軒端荻。。
主 04030
「娘をばさるべき人に預けて/04051」を受ける。
強くなる 04030
監視が強まる、あるいは、軒端荻への支配力が増すこと。
うちとけぬべく 04030
具体的には、すぐに男と寝るのを許すこと。
とかく聞きたまへど 04030
縁談のこと。あるいは縁談後の新しい男のことをいろいろ噂にきく。