このほどまでは漂ふ 夕顔14章05

2021-04-25

原文 読み 意味

このほどまでは漂ふなるを いづれの道に定まりて赴くらむ と思ほしやりつつ 念誦をいとあはれにしたまふ

04171/難易度:☆☆☆

この/ほど/まで/は/ただよふ/なる/を いづれ/の/みち/に/さだまり/て/おもむく/らむ と/おもほしやり/つつ ねんず/を/いと/あはれ/に/し/たまふ

この頃まで魂は中有(ちゅうう)をさまようというが、六道のどの道へ進むと決まって行くのだろうと、思いやりになられながら、念仏読経をいとしさをこめて行いになる。

このほどまでは漂ふなるを いづれの道に定まりて赴くらむ と思ほしやりつつ 念誦をいとあはれにしたまふ

大構造と係り受け

古語探訪

このほどまでは漂ふなる 04171

四十九日まで魂が中有をさまようこと。「なる」は伝聞。

いづれの道に定まりて 04171

生前の行いにより、死後、地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天人へ向う六つの世界に生まれ変わるが、そのうちのコースに行くことに定まったのかということ。「あいなく」は、頭中将にばれていないのだから、胸騒ぎする必要もないのに胸騒ぎするとの意味。

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