右近はたかしかまし 夕顔14章10
原文 読み 意味
右近 はた かしかましく言ひ騒がむを思ひて 君も今さらに漏らさじと忍びたまへば 若君の上をだにえ聞かず あさましく行方なくて過ぎゆく
04176/難易度:☆☆☆
うこん はた かしかましく/いひ/さわが/む/を/おもひ/て きみ/も/いまさら/に/もらさ/じ/と/しのび/たまへ/ば わかぎみ/の/うへ/を/だに/え/きか/ず あさましく/ゆくへ/なく/て/すぎ/ゆく
右近は右近で、やかましく騒ぎ立てられるのを案じ、光の君も今になって漏らしたりはすまいとお隠しになっているので、せめて女君の娘である若君のご様子だけでも知りたいとおもいながらとかなわず、こんなことになった運命を嘆きながら、行方も知らぬまま時は過ぎていく。
右近 はた かしかましく言ひ騒がむを思ひて 君も今さらに漏らさじと忍びたまへば 若君の上をだにえ聞かず あさましく行方なくて過ぎゆく
大構造と係り受け
古語探訪
若君の上 04176
夕顔の娘である撫子の身の上。