穢らひ忌みたまひし 夕顔11章08
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原文 読み 意味
穢らひ忌みたまひしも 一つに満ちぬる夜なれば おぼつかながらせたまふ御心 わりなくて 内裏の御宿直所に参りたまひなどす
04138/難易度:☆☆☆
けがらひ/いみ/たまひ/し/も ひとつ/に/みち/ぬる/よ/なれ/ば おぼつかながら/せ/たまふ/みこころ わりなく/て うち/の/おほむ-とのゐどころ/に/まゐり/たまひ/など/す
死穢による謹慎の忌明けになられたのも、病状がよくなられたのも同じ夜であったので、君の病状がご心配で早く会いたがっておられる帝のお気持ちを思うと断ることもできないので、宮中の宿直所に参内などなさる。
穢らひ忌みたまひしも 一つに満ちぬる夜なれば おぼつかながらせたまふ御心 わりなくて 内裏の御宿直所に参りたまひなどす
大構造と係り受け
古語探訪
穢らひ忌みたまひしもひとつに満ちぬる夜 04138
「穢らひ」は夕顔に死による死穢。「忌み」は死穢による謹慎。一ヶ月とされている。「も」は病気がなおったことに加え、「ひとつに満ちぬる夜」は、病気の快方だけでなく、死穢の忌明けが同時になった夜の忌み。
おぼつかせながらせたまふ御心 04138
心配で早く会いたいという帝の気持ち。
わりなく 04138
断るわけにいかない。