大殿も経営したまひ 夕顔11章07
目次
原文 読み 意味
大殿も経営したまひて 大臣 日々に渡りたまひつつ さまざまのことをせさせたまふしるしにや 二十余日 いと重くわづらひたまひつれど ことなる名残のこらず おこたるさまに見えたまふ
04137/難易度:☆☆☆
おほとの/も/けいめい/し/たまひ/て おとど ひび/に/わたり/たまひ/つつ さまざま/の/こと/を/せ/させ/たまふ しるし/に/や にじふ-よにち いと/おもく/わづらひ/たまひ/つれ/ど こと/なる/なごり/のこら/ず おこたる/さま/に/みエ/たまふ
左大臣家でもいろいろと奔走され、大臣は毎日お越しになって、さまざまな処置を家人たちにおさせになる、そのおかげであろうか、二十日あまり重篤なご病状であられたけれど、特に心配するような余病もなく、快方にむいたようなご様子。
大殿も経営したまひて 大臣 日々に渡りたまひつつ さまざまのことをせさせたまふしるしにや 二十余日 いと重くわづらひたまひつれど ことなる名残のこらず おこたるさまに見えたまふ
大構造と係り受け
古語探訪
経営 04137
世話してまわる、あれこれ奔走する。
さまざまなこと 04137
病状がよくなるためのいっさいのこと。加持祈祷や服薬など。古文で「こと」とあれば、具体的な事柄・出来事を考える。
ことなる名残 04137
特別注意しないといけないような予後の病状や後遺症。
おこたるさま 04137
病状が快方にむかう様子。