殿のうちの人足を空 夕顔11章06
原文 読み 意味
殿のうちの人 足を空にて思ひ惑ふ 内裏より 御使 雨の脚よりもけにしげし 思し嘆きおはしますを聞きたまふに いとかたじけなくて せめて強く思しなる
04136/難易度:☆☆☆
との/の/うち/の/ひと あし/を/そら/にて/おもひ/まどふ うち/より おほむ-つかひ あめ/の/あし/より/も/けに/しげし おぼし/なげき/おはします/を/きき/たまふ/に いと/かたじけなく/て せめて/つよく/おぼし/なる
邸内の人たちは、君のご病状に地に足のつかないふためきよう。内裏からは帝のお使いが頻繁である雨脚よりも格段にひんぱんである。帝がご憂慮なされているとお聞きになって、ひどくかたじけない思いから、無理にも気強くしようとお努めになる。
殿のうちの人 足を空にて思ひ惑ふ 内裏より 御使 雨の脚よりもけにしげし 思し嘆きおはしますを聞きたまふに いとかたじけなくて せめて強く思しなる
大構造と係り受け
古語探訪
足を空にて 04136
死をまえにした時に用いられる、ひどいあわてふためきようを表す表現。
雨の脚 04136
何度も訪れる頻繁さの比ゆ。
思し嘆きおはします 04136
主体は帝。