まことに臥したまひ 夕顔11章01
原文 読み 意味
まことに 臥したまひぬるままに いといたく苦しがりたまひて 二 三日になりぬるに むげに弱るやうにしたまふ
04131/難易度:☆☆☆
まこと/に ふし/たまひ/ぬる/まま/に いと/いたく/くるしがり/たまひ/て に さむ-にち/に/なり/ぬる/に むげ/に/よわる/やう/に/し/たまふ
事実、お体を横たえられるままに、とてもひどくお苦しみになられ、二三日も経つのに、すっかり衰弱したご様子をなされている。
まことに 臥したまひぬるままに いといたく苦しがりたまひて 二 三日になりぬるに むげに弱るやうにしたまふ
大構造と係り受け
古語探訪
まことに 04131
女房たちの心配が現実化したことを話し手がうけがう表現。
二三日になりぬるに 04131
末尾の「に」について、諸注は経過(経つうちに)などの順接ととるが、逆接であろう。すなわち、二三日経ったからもうよくなってもよさそうなものなのに。
むげに 04131
むやみやたらとという話者が批判する用法と、すっかりの用法がある。どちらも考えられるが、前後に作者の批判はないので、ここは諸注の通り、後者の用法ととるのが無難だろう。