さらぬ法師ばらなど 夕顔10章06
原文 読み 意味
さらぬ法師ばらなどにも 皆 言ひなすさま異にはべる と聞こゆるにぞ かかりたまへる
04114/難易度:☆☆☆
さらぬ/ほふしばら/など/に/も みな いひ/なす/さま/こと/に/はべる と/きこゆる/に/ぞ かかり/たまへ/る
「ほかの坊さんたちなどにも、すべて言いなした内容は事実とは違うものです」と申し上げる惟光の言葉を頼みとおすがりになる。
さらぬ法師ばらなどにも 皆 言ひなすさま異にはべる と聞こゆるにぞ かかりたまへる
大構造と係り受け
古語探訪
さらぬ法師ばら 04114
「さ」は葬儀のことを頼んだ「いと尊き老僧」をさし、そうでない・それ以外の僧侶たちの意味。「さらぬ」は「さあらぬ(そうでない)」の短縮。
異に 04114
事実と違う言い方をしてあるの意味。
かかりたまへる 04114
その言葉を何よりの頼みとしてすがりつくこと。ことが発覚すれば、光の将来も危うくなる可能性があるのだろう。実際どうなるかはわからないが、光はひどく恐れている。