かのものに襲はれし 末摘花07章10
目次
原文 読み 意味
かの ものに襲はれし折思し出でられて 荒れたるさまは劣らざめるを ほどの狭う 人気のすこしあるなどに慰めたれど すごう うたていざとき心地する夜のさまなり
06105/難易度:☆☆☆
かの もの/に/おそはれ/し/をり/おぼし/いで/られ/て あれ/たる/さま/は/おとら/ざ/める/を ほど/の/せばう ひとけ/の/すこし/ある/など/に/なぐさめ/たれ/ど すごう うたて/いざとき/ここち/する/よる/の/さま/なり
あの物の怪に襲われた時のことを思い出しになって、荒廃した様子はあちらに劣らない感じであるが、邸内が狭く、人気がすこしある点などに心を慰めになるが、不気味で、どうにも寝つかれそうにない夜の様子である。
かの ものに襲はれし折思し出でられて 荒れたるさまは劣らざめるを ほどの狭う 人気のすこしあるなどに慰めたれど すごう うたていざとき心地する夜のさまなり
大構造と係り受け
古語探訪
かのものに襲はれし折 06105
夕顔を亡くすことになった廃院の一夜。
荒れたるさまは劣らざめるをほどの狭う人気のすこしあるなど 06105
廃院と末摘花の邸との比較。
いざとき 06105
寝付けない様子。