いとど愁ふなりつる 末摘花07章09
原文 読み 意味
いとど 愁ふなりつる雪 かきたれいみじう降りけり 空の気色はげしう 風吹き荒れて 大殿油消えにけるを ともしつくる人もなし
06104/難易度:☆☆☆
いとど うれふ/なり/つる/ゆき かき-たれ/いみじう/ふり/けり そら/の/けしき/はげしう かぜ/ふき/あれ/て おほとなぶら/きエ/に/ける/を ともし/つくる/ひと/も/なし
ますますもって、愁いの種であるらしい雪が、一面にひどく降るのだった。空は荒れ模様で、風が激しく吹き、寝室の灯は消えてしまったのに、明かりをつける人もいない。
いとど 愁ふなりつる雪 かきたれいみじう降りけり 空の気色はげしう 風吹き荒れて 大殿油消えにけるを ともしつくる人もなし
大構造と係り受け
古語探訪
愁ふなりつる雪 06104
「あはれさも寒き年かな」などと寒さを女房が嘆いている雪。「なり」は伝聞。