故常陸親王の末にま 末摘花02章03

2021-05-10

原文 読み 意味

故常陸親王の 末にまうけていみじうかなしうかしづきたまひし御女 心細くて残りゐたるを もののついでに語りきこえければ あはれのことやとて 御心とどめて問ひ聞きたまふ

06007/難易度:☆☆☆

こ-ひたちのみこ/の すゑ/に/まうけ/て/いみじう/かなしう/かしづき/たまひ/し/おほむ-むすめ こころぼそく/て/のこり/ゐ/たる/を もの/の/ついで/に/かたり/きこエ/けれ/ば あはれ/の/こと/や/とて みこころ/とどめ/て/とひ/きき/たまふ

亡き常陸の親王が晩年にもうけ、たいそう愛情を注ぎかしずくようにお育てになられた御姫さまが、心細く死におくれていらっしゃるのを、命婦がとあるついでに申し上げたところ、おかわいそうにとおっしゃって、ご関心をお持ちになって詳細をお尋ねになる。

故常陸親王の 末にまうけていみじうかなしうかしづきたまひし御女 心細くて残りゐたるを もののついでに語りきこえければ あはれのことやとて 御心とどめて問ひ聞きたまふ

大構造と係り受け

古語探訪

故常陸親王 06007

命婦の父である「わかむどほりの兵部大輔」とは血縁関係にあり、親王亡き後、その邸宅へは、兵部大輔が住むことになっていることが、物語で説明されないながら、その筋から伺える。単に描写が粗雑であるのか、それぞれにモデルがあって、当時の人には、特に説明するまでもなくわかることであったのか、いろいろと考えさせられる箇所ではある。

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