かうのみ見つけらる 末摘花02章24
原文 読み 意味
かうのみ見つけらるるを ねたしと思せど かの撫子はえ尋ね知らぬを 重き功に 御心のうちに思し出づ
06028/難易度:☆☆☆
かう/のみ/みつけ/らるる/を ねたし/と/おぼせ/ど かの/なでしこ/は/え/たづね/しら/ぬ/を おもき/こう/に みこころ/の/うち/に/おぼし/いづ
いつもこんな風に見つかってしまうのを癪だとお思いになるが、あの撫子は尋ね宛てていないことを、自分の大手柄だと思いながら、心ひそかに思い出しになる。
かうのみ見つけらるるを ねたしと思せど かの撫子はえ尋ね知らぬを 重き功に 御心のうちに思し出づ
大構造と係り受け
古語探訪
かうのみ見つけらるる 06028
これまでの話の中で同様のことはないとする注があるが、『若紫』の帖で、北山に出かけた光の居所を探し求めた頭中将他が「かうやうの御共は仕うまつりはべらむと思ひたまふるを、あさましくおくらせたまへること」と発言したことがあった。女のもとへの忍び歩きではないが、北山で若紫を見つけたのだから、光の心理としては、やばいところを見つけられたという思いがあったのであり、そのことがここに現れていると考えることは可能であろう。
撫子 06028
頭中将と夕顔との間の娘。のちの玉鬘である。