主上のまめにおはし 末摘花02章15
目次
原文 読み 意味
主上の まめにおはしますと もてなやみきこえさせたまふこそ をかしう思うたまへらるる折々はべれ かやうの御やつれ姿を いかでかは御覧じつけむ と聞こゆれば
06019/難易度:☆☆☆
うへ/の まめ/に/おはします/と もて-なやみ/きこエさせ/たまふ/こそ をかしう/おもう/たまへ/らるる/をりをり/はべれ かやう/の/おほむ-やつれすがた/を いかで/か/は/ごらんじ/つけ/む と/きこゆれ/ば
「帝が、あなたさまはお堅くいらっしゃると、お気を揉まれ申し上げになることが、おもしろく存じられます折りが時々ございますが、このようなお忍びのご様子を、どうしたってお目にとまりましょうか」と申しあげると、
主上の まめにおはしますと もてなやみきこえさせたまふこそ をかしう思うたまへらるる折々はべれ かやうの御やつれ姿を いかでかは御覧じつけむ と聞こゆれば
大構造と係り受け
古語探訪
まめにおはします 06019
光の性格に対しての帝の評。「いといたく世を憚りまめだち給ひけるほどなよびかにをかしきことはなくて」と『帚木』の帖にもあった。
こそ……已然形 06019
逆接で下につづく。
いかでかは 06019
強い疑問、決してお見つけにならないの意味。光は堅物だとの先入見があるため、目の前でそうした姿を見ても、目に入らないだろうという皮肉。