晦日の日夕つ方かの 末摘花09章20

2021-05-17

原文 読み 意味

晦日の日 夕つ方 かの御衣筥に 御料とて人のたてまつれる御衣一領 葡萄染の織物の御衣 また山吹か何ぞ いろいろ見えて 命婦ぞたてまつりたる

06150/難易度:☆☆☆

つごもり/の/ひ ゆふつかた かの/おほむ-ころもばこ/に ごれう/とて/ひと/の/たてまつれ/る/おほむ-ぞ/ひとくだり えびぞめ/の/おりもの/の/おほむ-ぞ また/やまぶき/か/なに/ぞ いろいろ/みエ/て みやうぶ/ぞ/たてまつり/たる

大晦日の夕方、例の衣装箱に、君のお召し料として某所からいただいた袿(うちぎ)、葡萄染(えびぞめ)の織物の装束に、山吹襲(やまぶきのかさね)なんぞ、あれやこれやが見受けられるが、それらを命婦が姫君の元にお持ちした。

晦日の日 夕つ方 かの御衣筥に 御料とて人のたてまつれる御衣一領 葡萄染の織物の御衣 また山吹か何ぞ いろいろ見えて 命婦ぞたてまつりたる

大構造と係り受け

古語探訪

かの御衣筥 06150

「衣筥の重りかに古代なる/06135」とあった衣装箱。

人のたてまつれる 06150

光源氏の発言に「かかるわざは人のするものにやあらむ/06143」とあった。二重の意味で末摘花の贈り物をからかっている。

御衣 06150

袿(うちぎ)。

葡萄染 06150

縦糸が赤で横糸が紫。「掻練好むや げに紫の色好むや」の歌を下に敷く。

山吹 06150

表が薄朽葉色、裏が黄色の、山吹の襲の色目。

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