晦日の日夕つ方かの 末摘花09章20
目次
原文 読み 意味
晦日の日 夕つ方 かの御衣筥に 御料とて人のたてまつれる御衣一領 葡萄染の織物の御衣 また山吹か何ぞ いろいろ見えて 命婦ぞたてまつりたる
06150/難易度:☆☆☆
つごもり/の/ひ ゆふつかた かの/おほむ-ころもばこ/に ごれう/とて/ひと/の/たてまつれ/る/おほむ-ぞ/ひとくだり えびぞめ/の/おりもの/の/おほむ-ぞ また/やまぶき/か/なに/ぞ いろいろ/みエ/て みやうぶ/ぞ/たてまつり/たる
大晦日の夕方、例の衣装箱に、君のお召し料として某所からいただいた袿(うちぎ)、葡萄染(えびぞめ)の織物の装束に、山吹襲(やまぶきのかさね)なんぞ、あれやこれやが見受けられるが、それらを命婦が姫君の元にお持ちした。
晦日の日 夕つ方 かの御衣筥に 御料とて人のたてまつれる御衣一領 葡萄染の織物の御衣 また山吹か何ぞ いろいろ見えて 命婦ぞたてまつりたる
大構造と係り受け
古語探訪
かの御衣筥 06150
「衣筥の重りかに古代なる/06135」とあった衣装箱。
人のたてまつれる 06150
光源氏の発言に「かかるわざは人のするものにやあらむ/06143」とあった。二重の意味で末摘花の贈り物をからかっている。
御衣 06150
袿(うちぎ)。
葡萄染 06150
縦糸が赤で横糸が紫。「掻練好むや げに紫の色好むや」の歌を下に敷く。
山吹 06150
表が薄朽葉色、裏が黄色の、山吹の襲の色目。