人のほどの心苦しき 末摘花09章13
目次
原文 読み 意味
人のほどの心苦しきに 名の朽ちなむはさすがなり 人びと参れば 取り隠さむや かかるわざは人のするものにやあらむ と うちうめきたまふ
06143/難易度:☆☆☆
ひと/の/ほど/の/こころぐるしき/に な/の/くち/な/む/は/さすが/なり ひとびと/まゐれ/ば とり-かくさ/む/や かかる/わざ/は/ひと/の/する/もの/に/や/あら/む と うち-うめき/たまふ
姫のご身分を思うと魅力のなさは心苦しい限りだが、捨てられた汚名がつくのはさすがに憚れる。人々が参るので、隠すとしよう。こんな物を贈るとは立派な方のなさるこだろうかと、ついうめき声をお上げになる。
人のほどの心苦しきに 名の朽ちなむはさすがなり 人びと参れば 取り隠さむや かかるわざは人のするものにやあらむ と うちうめきたまふ
大構造と係り受け
古語探訪
人のほどの心苦しきに 060143
「心苦しの世や」より、「世」を「人」に入れ替える。ここもナレーションであると同時に、語り手は光源氏の心情を代弁している。
さすがなり 060143
さすがにそうもいかない。
人 060143
立派な人。