色は雪恥づかしく白 末摘花08章07

2021-05-12

原文 読み 意味

色は雪恥づかしく白うて真青に 額つきこよなうはれたるに なほ下がちなる面やうは おほかたおどろおどろしう長きなるべし

06113/難易度:☆☆☆

いろ/は/ゆき/はづかしく/しろう/て/さ-あを/に ひたひつき/こよなう/はれ/たる/に なほ/しもがち/なる/おもやう/は おほかた/おどろおどろしう/ながき/なる/べし

顔色は雪も恥じるくらい白くて青みを帯び、額つきはたぐいなく広くて、それでいて下ぶくれした顔立ちは、おそらくはおそろしいほど長いのであろう。

色は雪恥づかしく白うて真青に 額つきこよなうはれたるに なほ下がちなる面やうは おほかたおどろおどろしう長きなるべし

大構造と係り受け

古語探訪

はれたる 06113

二説があり、「晴れたる」で広いの意味と取る説と、「腫れたる」で額が突き出ているとの説がある。しかし、「はれたるに、なほ下がちなる面やう」という続き方、すなわち、「に、なほ」は逆接の関係であり、下ぶくれに対して、対になるのは、おでこが広いことではないかと思う。おでこが広さは普通、顔の上が大きく下が小さいイメージだが、それなのに、下がさらに大きいというつながり方であろう。

おほかた……なるべし 06113

想像しているのは、末摘花が扇か何かで顔を隠しているからか、暗くてよく見えないかである。

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