色は雪恥づかしく白 末摘花08章07
原文 読み 意味
色は雪恥づかしく白うて真青に 額つきこよなうはれたるに なほ下がちなる面やうは おほかたおどろおどろしう長きなるべし
06113/難易度:☆☆☆
いろ/は/ゆき/はづかしく/しろう/て/さ-あを/に ひたひつき/こよなう/はれ/たる/に なほ/しもがち/なる/おもやう/は おほかた/おどろおどろしう/ながき/なる/べし
顔色は雪も恥じるくらい白くて青みを帯び、額つきはたぐいなく広くて、それでいて下ぶくれした顔立ちは、おそらくはおそろしいほど長いのであろう。
色は雪恥づかしく白うて真青に 額つきこよなうはれたるに なほ下がちなる面やうは おほかたおどろおどろしう長きなるべし
大構造と係り受け
古語探訪
はれたる 06113
二説があり、「晴れたる」で広いの意味と取る説と、「腫れたる」で額が突き出ているとの説がある。しかし、「はれたるに、なほ下がちなる面やう」という続き方、すなわち、「に、なほ」は逆接の関係であり、下ぶくれに対して、対になるのは、おでこが広いことではないかと思う。おでこが広さは普通、顔の上が大きく下が小さいイメージだが、それなのに、下がさらに大きいというつながり方であろう。
おほかた……なるべし 06113
想像しているのは、末摘花が扇か何かで顔を隠しているからか、暗くてよく見えないかである。