かやうのまめやかご 末摘花08章23
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原文 読み 意味
かやうのまめやかごとも恥づかしげならぬを 心やすく さる方の後見にて育まむ と思ほしとりて さまことに さならぬうちとけわざもしたまひけり
06129/難易度:☆☆☆
かやう/の/まめやか/ごと/も/はづかしげ/なら/ぬ/を こころやすく さる/かた/の/うしろみ/にて/はぐくま/む と/おもほし/とり/て さま/こと/に さ/なら/ぬ/うちとけ/わざ/も/し/たまひ/けり
こうした誠意の見せ方も恥ずかしくお感じならない様子を気安いことに、そうした生活面での援助者としてお世話しようとご決心なさり、世間の慣行とは異なりふつうには考えられないようなお世話までお焼きになる。
かやうのまめやかごとも恥づかしげならぬを 心やすく さる方の後見にて育まむ と思ほしとりて さまことに さならぬうちとけわざもしたまひけり
大構造と係り受け
古語探訪
かやうのまめやかごとも 06129
実生活上の援助。相手が正妻であれば、通う男性の生活費を女性の親兄弟が出すものであり、それをしないことは、物質面で「据ゑ」という正妻でないことを意味し、そのうえ、末摘花は宮家の血をひくため、二重に生活援助を受けることは恥じるべきことであるが、それを感じないのである。
さならぬ 06129
そうあるべきでない。
うちとけわざ 06129
具体的にはわからないが、本来姫がすべきこともかわって、光が世話したということである。世話が姫のみに終わらず、女房や下々のものにまで及んだことを言うか。