侍従は斎院に参り通 末摘花07章08
原文 読み 意味
侍従は 斎院に参り通ふ若人にて この頃はなかりけり いよいよあやしうひなびたる限りにて 見ならはぬ心地ぞする
06103/難易度:☆☆☆
じじゆう/は さいゐん/に/まゐり/かよふ/わかうど/にて このごろ/は/なかり/けり いよいよ/あやしう/ひなび/たる/かぎり/にて みならは/ぬ/ここち/ぞ/する
侍従は、斎院へ出仕している若女房で、この頃は出外れていた。そのためますますたいそう田舎くさい女房ばかりだったため、君は見慣れない経験だというお気持ちになられる。
侍従は 斎院に参り通ふ若人にて この頃はなかりけり いよいよあやしうひなびたる限りにて 見ならはぬ心地ぞする
大構造と係り受け
古語探訪
侍従 06103
以前、光の歌に応じない末摘花に代わり、歌を返した若女房。ここに見える通り、侍従は、末摘花と斎院のふたりに仕えており、このように複数の主人に仕えるケースは珍しくはなかったようである。なお、侍従は溌剌とした若い女性であり、その侍従がいないことで、邸がいっそう暗い風に光には見えている。