我もうち笑まるる心 末摘花06章23

2021-05-12

原文 読み 意味

我もうち笑まるる心地して わりなの 人に恨みられたまふ御齢や 思ひやり少なう 御心のままならむも ことわり と思ふ

06094/難易度:☆☆☆

われ/も/うち-ゑま/るる/ここち/し/て わりな/の ひと/に/うらみ/られ/たまふ/おほむ-よはひ/や おもひやり/すくなう みこころ/の/まま/なら/む/も ことわり と/おもふ

こちらもつい微笑まれる気持になり、何ともしようもなく、人に恨まれになるご年齢だこと、思いやりに欠け、勝手気ままになさろうとするのも、無理もない」と見定める。

我もうち笑まるる心地して わりなの 人に恨みられたまふ御齢や 思ひやり少なう 御心のままならむも ことわり と思ふ

大構造と係り受け

古語探訪

わりなの 06094

「御齢や」にかかる。意見しても仕方がない、そういうお年頃なのだということ。これは末摘花の代弁であるとともに、命婦自身が光との関係の中で学んだ真理、すなわち、若い男は一人の女では満足しないものなのだということ。

ことわり 06094

命婦自身が光との関係の中で学んだ真理。すなわち、若い男は一人の女では満足しないものなのである。それが真理であり、どうすることもできない諦観である。

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