さすがに人の言ふこ 末摘花05章07
原文 読み 意味
さすがに 人の言ふことは強うもいなびぬ御心にて 答へきこえで ただ聞け とあらば 格子など鎖してはありなむ とのたまふ
06055/難易度:☆☆☆
さすがに ひと/の/いふ/こと/は/つよう/も/いなび/ぬ/みこころ/にて いらへ/きこエ/で ただ/きけ と/あら/ば かうし/など/さし/て/は/あり/な/む と/のたまふ
さすがに、人の言うことを、強くも拒絶できない性格から、「ご返事申し上げないで、だた聞いてなさいということなら。格子などは降ろしておいてほしい」とおっしゃる。
さすがに 人の言ふことは強うもいなびぬ御心にて 答へきこえで ただ聞け とあらば 格子など鎖してはありなむ とのたまふ
大構造と係り受け
古語探訪
格子など鎖してはありなむ 06055
格子などを鎖しておいてほしいの意味。「格子」は、簀子と廂の間を仕切る。「なむ」は、強意の「ぬ」に願望の「む」がついたもの。