この君のかう気色ば 末摘花03章06
目次
原文 読み 意味
この君のかう気色ばみありきたまふを まさに さては 過ぐしたまひてむや と なまねたう危ふがりけり
06034/難易度:☆☆☆
この/きみ/の/かう/けしきばみ/ありき/たまふ/を まさ/に さて/は すぐし/たまひ/て/む/や/と なま-ねたう/あやふがり/けり
この光の君がこんなふうに傍目からもその思いがわかるほど通ってゆかれるのを、まったくもって、あのまま、終わらせになるだろうかと、いささか妬み案じるのであった。
この君のかう気色ばみありきたまふを まさに さては 過ぐしたまひてむや と なまねたう危ふがりけり
大構造と係り受け
古語探訪
気色ばみ 06034
顔色に出るくらいの意味で、この場合、末摘花への思いが他人からもわかるくらい顔に出ているということ。
まさにさては過ぐしたまひてむや 06034
「まさに……てむや」は、まさか……はしまい、という反語の強め。
なまねたう 06034
半ばねたみながら。
危ふがりけり 06034
光が末摘花をものにするのではないかと、案じること。