いでやさやうにをか 末摘花03章12
原文 読み 意味
いでや さやうにをかしき方の御笠宿りには えしもやと つきなげにこそ見えはべれ ひとへにものづつみし ひき入りたる方はしも ありがたうものしたまふ人になむ と 見るありさま語りきこゆ
06040/難易度:☆☆☆
いで/や さやう/に/をかしき/かた/の/おほむ-かさやどり/に/は え/しも/や/と つきなげ/に/こそ/みエ/はべれ ひとへ/に/もの-づつみ/し ひきいり/たる/かた/は/しも ありがたう/ものし/たまふ/ひと/に/なむ と みる/ありさま/かたり/きこゆ
「さあ、そのように風雅な方面の雨宿りには、どうしてまあ、不似合だろうと存じます。ひとえに遠慮ばかりし、ひっこんでいらっしゃる点は、めったに存せぬ人でして」と、会見の様子をお話し申し上げる。
いでや さやうにをかしき方の御笠宿りには えしもやと つきなげにこそ見えはべれ ひとへにものづつみし ひき入りたる方はしも ありがたうものしたまふ人になむ と 見るありさま語りきこゆ
大構造と係り受け
古語探訪
御笠宿り 06040
催馬楽の文句で、男女が雨宿りの宿をとること。
えしもや 06040
「え」は否定と呼応する可能の副詞、「しも」は強意、「や」は反語、できるだろうか、とてもできないの意味。