まことはかやうの御 末摘花02章23
目次
原文 読み 意味
まことは かやうの御歩きには 随身からこそはかばかしきこともあるべけれ 後らさせたまはでこそあらめ やつれたる御歩きは 軽々しき事も出で来なむ と おし返しいさめたてまつる
06027/難易度:☆☆☆
まこと/は かやう/の/おほむ-ありき/に/は ずいじん/から/こそ/はかばかしき/こと/も/ある/べけれ おくら/させ/たまは/で/こそ/あら/め やつれ/たる/おほむ-ありき/は かるがるしき/こと/も/いでき/な/む と おしかへし/いさめ/たてまつる
「まったくのところ、このようなお忍び歩きには、お供次第でこそ首尾よくまとまる話もあるでしょうが、置いてきぼりをくらわしたりなさらないでいただきたいもの、身分をかくしてのお忍び歩きは、軽率な事態も出来するものですから」と逆にご意見を申し上げる。
まことは かやうの御歩きには 随身からこそはかばかしきこともあるべけれ 後らさせたまはでこそあらめ やつれたる御歩きは 軽々しき事も出で来なむ と おし返しいさめたてまつる
大構造と係り受け
古語探訪
まことは 06027
話題を転じるときの言葉、それはそうとくらいの意味。
随人から 06027
随人の働き次第で。
軽々しき事 06027
貴族の身分にとって、軽率だとの非難を免れないようなできごと。
おし返し 06027
尾行された光が本来なら腹を立てるところを、逆に頭中将から説教されたということ。