まことはかやうの御 末摘花02章23

2021-05-11

原文 読み 意味

まことは かやうの御歩きには 随身からこそはかばかしきこともあるべけれ 後らさせたまはでこそあらめ やつれたる御歩きは 軽々しき事も出で来なむ と おし返しいさめたてまつる

06027/難易度:☆☆☆

まこと/は かやう/の/おほむ-ありき/に/は ずいじん/から/こそ/はかばかしき/こと/も/ある/べけれ おくら/させ/たまは/で/こそ/あら/め やつれ/たる/おほむ-ありき/は かるがるしき/こと/も/いでき/な/む と おしかへし/いさめ/たてまつる

「まったくのところ、このようなお忍び歩きには、お供次第でこそ首尾よくまとまる話もあるでしょうが、置いてきぼりをくらわしたりなさらないでいただきたいもの、身分をかくしてのお忍び歩きは、軽率な事態も出来するものですから」と逆にご意見を申し上げる。

まことは かやうの御歩きには 随身からこそはかばかしきこともあるべけれ 後らさせたまはでこそあらめ やつれたる御歩きは 軽々しき事も出で来なむ と おし返しいさめたてまつる

大構造と係り受け

古語探訪

まことは 06027

話題を転じるときの言葉、それはそうとくらいの意味。

随人から 06027

随人の働き次第で。

軽々しき事 06027

貴族の身分にとって、軽率だとの非難を免れないようなできごと。

おし返し 06027

尾行された光が本来なら腹を立てるところを、逆に頭中将から説教されたということ。

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