渡殿の戸口に寄りゐ 空蝉03章01
原文 読み 意味
渡殿の戸口に寄りゐたまへり いとかたじけなしと思ひて 例ならぬ人はべりて え近うも寄りはべらず さて 今宵も ...
碁打ち果てつるにや 空蝉03章02
原文 読み 意味
碁打ち果てつるにやあらむ うちそよめく心地して 人びとあかるるけはひなどすなり 若君はいづくにおはしますなら ...
こたみは妻戸を叩き 空蝉03章03
原文 読み 意味
こたみは妻戸を叩きて入る 皆人びと静まり寝にけり この障子口に まろは寝たらむ 風吹きとほせとて 畳広げて臥 ...
女はさこそ忘れたま 空蝉03章04
原文 読み 意味
女は さこそ忘れたまふをうれしきに思ひなせど あやしく夢のやうなることを 心に離るる折なきころにて 心とけた ...
若き人は何心なくい 空蝉03章05
原文 読み 意味
若き人は 何心なくいとようまどろみたるべし かかるけはひの いと香ばしくうち匂ふに 顔をもたげたるに 単衣う ...