おんかたがた・御方々 01-002

女御たち。
はじめより 我はと思ひあがりたまへる御方々 めざましきものにおとしめ嫉みたまふ
入内当初より我こそ正妻だと気負っておいでの女御方は、目障りでならぬと、おとしめそねみになる。
01-002 ...
おほかたの・おおかたの・大方の 01-009

この場合「私物」の「私」に対立する。公事、世間的に。
一の皇子は右大臣の女御の御腹にて 寄せ重く疑ひなき儲の君と世にもてかしづききこゆれど この御にほひには並びたまふべくもあらざりければ おほかたのやむごとなき御思ひにて ...
かろきかたにもみえし・軽き方にも見えし・軽き方にも見ゆ 01-011

周りの女房たちから軽い女だと軽んぜられた。
おぼえいとやむごとなく上衆めかしけれど わりなくまつはさせたまふあまりに さるべき御遊びの折々何事にもゆゑある事のふしぶしにはまづ参う上らせたまふ ある時には大殿籠もり過ぐしてや ...
このおんかた・この御方 01-013

弘徽殿の女御。
人より先に参りたまひて やむごとなき御思ひなべてならず 皇女たちなどもおはしませば この御方の御諌めをのみぞ なほわづらはしう心苦しう思ひきこえさせたまひける
誰より早く入内され、帝にしても第一 ...
おんかたがた・御方がた・御方々 01-016

一般には女御をさすが、女御は二三人からせいぜい五人を満たない。「あまたの」とあるのでここは更衣を含める。
あまたの御方がたを過ぎさせたまひて ひまなき御前渡りに 人の御心を尽くしたまふも げにことわりと見えたり