さきまじる 咲きまじる 02-110
子である大和撫子と、親である常夏(唐撫子)が入り乱れて咲く。
咲きまじる色はいづれと分かねどもなほ常夏に
むかしものがたりめきて 昔物語めきて むかしものがたりめく 昔物語めく 02-110
頭中将が本気で愛情をもっていれば、こうした距離をおいた感想は取れないであろう。心理的距離は頭中将の方にもあるのだ。
むしのねにきほへる 虫の音に競へる むしのねにきおえる 虫の音に競える きほふ きおう 競ふ 競う 02-110
女が泣き声を虫の鳴き音と競っている。
思ひ出でしままにまかりたりしかば 例のうらもなきものから いと物思
ものから ものの 02-110
そういう状態でありながら。「もの」は形式名詞だが、「もの」の動かなさを持ちつつも。
思ひ出でしままにまか
れいのうらもなき 例のうらもなき うらもなし うらもなし 02-110
頭中将の妻からの嫌がらせを受けたり、男が久しく通ってこなくても、恨みに思うことなく、心に裏がなく、こだわりやわだかまりのない ...