上達部上人などもあ 005

上達部や殿上人なども対処に困り目をそむける一方で、まったく見も当てられないご寵愛ぶりですな。唐土でもこうしたことが原因となって、世も乱れ災厄を招くものですと、ようやく広く世間でも、道を外れた扱いに窮する悩みの種となり、果ては楊貴妃の名 ...
いつしかと心もとな 008 ★☆☆

今か今かと帝は心もとないご様子で、里より急ぎ参らせご覧になったところ、御子は見たこともないめずらしい人相のお顔立ちだったのです。
この御子生まれたま 012

この御子がお生れになってからは正妻のように格別の計らいをなされたために、皇太子へもことによると、この御子がお立ちになるやもと第一皇子の母の女御は危惧なさっておられました。
ものの心知りたまふ 023 ★☆☆

ものの本質を見抜いておられるお方は、こんな方も世に生れて来られるものかと、常軌を超えた相に信じがたいと目を瞠はっておられました。
限りあらむ道にも後 030 ★☆☆

宿命で決まった道であっても後れ先立ちはしないとお誓いになったのに。つらくてもまさかうち捨て行っておしまいではないねとおっしゃるのを、女もたまらなくおいたわしいと存じ上げて、