はじめより我はと思 002

入内当初より我こそ正妻だと気負っておいでの女御方は、目障りでならぬと、おとしめそねみになる。
上達部上人などもあ 005

上達部や殿上人なども対処に困り目をそむける一方で、まったく見も当てられないご寵愛ぶりですな。唐土でもこうしたことが原因となって、世も乱れ災厄を招くものですと、ようやく広く世間でも、道を外れた扱いに窮する悩みの種となり、果ては楊貴妃の名 ...
父の大納言は亡くな 006 ★☆☆

父の大納言はお亡くなりの中、母は家柄の古い教養豊かなお方で、二親そろった当節評判で勢い盛な女御方にもさほど見劣りすることなく、宮中の諸行事をもまかなっておいででしたが、娘には取り立てて力のある後ろ盾はなかったので、人生の大事が訪れた時 ...
初めより おしなべ 010

もとより帝の側仕えのような雑事をしなければならない身分ではございませんでした。
おぼえいとやむごと 011 ★★☆

帝からの引きはこれ以上にないほどで女御の風格をお備えでしたのに、帝がむやみと側にお留になるばかりに、立派な管絃の会の折りや格式あるどんな行事にも真っ先にこの方をお召し上げになる、時には共寝したまま起きそびれそのまま側仕えをおさせになる ...