いはせたまふ・いわせたまう・言はせたまふ・言わせたまう・言はせ給ふ・言わせ給う 01-077

2021-01-10

母君がお付きの者に歌を託し、それを命婦の取り次ぎに伝えた。王朝文学では、位のある人物が何かをする時には、文章に表れていてもいなくても、介添え役を通して行う。「せ」は使役。「たまふ」は母君に対する敬意。


 いとどしく虫の音しげき浅茅生に 露置き添ふる 雲の上人 かごとも聞こえつべくなむ と言はせたまふ

そうでなくても虫が鳴きしきる草深いこの侘しい鄙の宿に ますますもって涙の露を置いてゆく雲の上からの使者よ 愚痴もつい申したくなり、と侍女に返歌を読み上げさせる。

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