さうじみはなし 正身はなし 02-099
本人の姿がここにない。
今宵ばかりやと 待ちけるさまなり さればよと心おごりするに 正身はなし
さればよ 然ればよ 02-099
「さあればこそしか思ひたまへぬるよ」などの省略表現。灯りを落とし、綿入れに匂いを薫き込めるなどして、夫を迎える準備がしてあっ ...
こよひばかりやと 今宵ばかりやと こよいばかりやと 02-098
「今宵ばかりは訪ねてむやと」などの省略表現。
なま人悪ろく爪喰はるれど さりとも今宵日ごろの恨みは解けな
ひきあぐべきもののかたびらなどうちあげて 引きあぐべきものの帷子などうちあげて ひきあぐ 引き上ぐ 02-098
几帳や帳などを片付け来客を迎えられるように準備してある様子。
なま人悪ろく爪喰はるれど さりとも今宵日ご
かごにうちかけて 籠にうちかけて うちかく 打ち掛く 02-098
衣服に移り香をつけている。
なま人悪ろく爪喰はるれど さりとも今宵日ごろの恨みは解けなむ と思うたまへし