はかなきついで はかなき序 02-114
「はかなき」は実を結びそうにない、結果が出ないと想像されるような。「ついで」は機会の意味だが、もともと順番を指す語。博士のもとに通う学生は多く、身分、年齢、席次などの順番から、自分の手に落ちることはないだろうと予想されたのだろう。
それは ある博士のもとに学問などしはべるとて まかり通ひしほどに 主人のむすめども多かりと聞きたまへて はかなきついでに言ひ寄りてはべりしを
そのいきさつは、ある博士のもとに漢文学などをいたそうと通っていました時に、師である主人には娘がたくさんいると聞きおよびまして、ふとした機会に言いよりましたところ、