おきて 02-088

2021-01-14

描法上の決まりごと。


かれど 人の見及ばぬ蓬莱の山 荒海の怒れる魚の姿 唐国のはげしき獣の形 目に見えぬ鬼の顔などのおどろおどろしく作りたる物は にまかせてひときは目驚かして 実には似ざらめどさてありぬべし 世の常の山のたたずまひ 水の流れ 目に近き人の家居ありさま げに見え なつかしくやはらいだる形などを静かに描きまぜて すくよかならぬ山の景色 木深く世離れて畳なし け近き籬の内をば その心しらひおきてなどをなむ 上はいと勢ひことに 悪ろ者は及ばぬ多かめる

(左馬頭)そうではありますが、人目では捉えられない蓬莱の山、荒海の恐ろしい魚の姿、唐の国の猛々しい獣の形、目に見えない鬼神の顔などおどろおどろしくこしらえた絵なんかは、まかせにひときわ人の目を驚かすねらいであって、実物には似てないにしてもそれはそれでよいでしょう。世間のどこにでもある山のたたずまい水の流れ身近な人家の様子を、なるほどこういうものだなと受け止め、慣れ親しんだ穏やかな形などが丹念に描きこんだり、険しくはない山なが木深く人里から離れて重なりあう一で、近景のまがきの中の配置に配ったりする際には、名人はなるほど筆勢に差が生、未熟者には及ばぬところが多いようです。

かれど 人の見及

ヴァリエーション:
おきて02

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