なまなまの 生々の なまなま 生々 02-035
うだつのあがらぬ。
なまなまの上達部よりも 非参議の四位どもの 世のおぼえ口惜しからず もとの根ざし卑しからぬ やすらかに身をもてなしふるまひたる いとかはらかなりや 家の内に足らぬことなどはたなかめるままに 省かずまばゆきまでもてかしづける女などの おとしめがたく生ひ出づるも あまたあるべし
(頭中将)なまなかな上達部よりも、参議扱いの四位の身で、世評も不満なく、生まれ育ちの卑しくないのが、鷹揚にかまえ日を暮らすのは、何とさっぱり気持ちがよいことでしょう。受領でも参議格でも家の中に不足などあろうはずのないままに、贅を尽くしまぶしいまで慈しんでき娘なんかが、見下しがたく生い立つことも、相当数にのぼるはずです。