もよほしがほ もよおしがお 催し顔 もよほし顔 もよおし顔 01-075

2021-04-13

声の比喩。聴く者の涙を誘う。以下の二首の歌「鈴虫の声の限りを尽くしても長き夜あかずふる涙かな/01-076」「いとどしく虫の音しげき浅茅生に露置き添ふる雲の上人/01-077」にひびいてくる。


月は入り方の 空清う澄みわたれるに 風いと涼しくなりて 草むらの虫の声ごゑもよほし顔なるも いと立ち離れにくき草のもとなり

月は入り方で空は清く澄みわたる時刻に、風はたいそう涼しくなって、叢の虫の鳴き音までが涙を誘う感じがするのも、何とも立ち去りがたい草の宿である。

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