ためらひ たまらい 躊躇ふ 躊躇う 01-057

2021-04-13

感情を抑制すること。「ため」た後に。はやる気持ちを押さえるの意。命婦は勅使であり、感情に走る母君とは別の立場にある。ここの場面は一種の性格喜劇となっていて、冷静な人と感情的な人とが、ついに折り合わず別れることになる。


参りては いとど心苦しう 心肝も尽くるやうになむと 典侍の奏したまひしを もの思うたまへ知らぬ心地にも げにこそいと忍びがたうはべりけれとて ややためらひて 仰せ言伝へきこゆ

お訪ねしましてはますます心が痛み魂も消え入りそうでと、以前典侍が奏上なさっていましたが、情理にうといふつつか者にも、全くもって忍びがたかろうと存じますと言い、しばし心を静めてから、命婦は帝の仰せごとをお伝え申し上げる。

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