とまりはべる 止まり侍る 止まりはべる 01-056

2021-04-13

「母北の方、同じ煙にのぼりなむと、泣きこがれたまひて(母君は同じ煙に乗ってあの世へ行ってしまいたいと泣きこがれになり)/01-038」とあるが、今まで生きながらえてきた。そのことに対する弁明でもある。


今までとまりはべるがいと憂きを かかる御使の蓬生の露分け入りたまふにつけても いと恥づかしうなむとて げにえ堪ふまじく泣いたまふ

これまで生き長らえて来ましたことが何とも心苦しいのに、このような帝のお使いが草深い家へ露に濡れながらお越しいただくにつけても、居たたまれない思いがしてと、いかにも堪えがたそうにお泣きになる。

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