よのためし・世のためし・世の例し・世の例 01-004

悪い行動の見本・規範として世に広まりかねないこと。要するに歴史に悪名をとどめることをおそれる意味。「楊貴妃の例/01-005」「人の朝廷(みかど)の例/01-105」と出てくるように、いったん規範として固定化してしまえば、後の世にも語 ...
よもみだれあしかりけれ・世も乱れ悪しかりけれ/よもみだれあしかりけり・世も乱れ悪しかりけり 01-005

「世が乱れること」が「悪し」では、当たりすぎて意味をなさない。ここは「世も」が主語で「乱れ、悪しかり」(述語の並記)+「けれ」。「乱る」は人心が乱れること、これに対応する天災が「悪し」。中国では人心が離れ、天がそむけば、革命がおきると ...
よのおぼえ・世のおぼえ・世の覚え 01-006

世間での評判。
父の大納言は亡くなりて 母北の方なむいにしへの人のよしあるにて 親うち具しさしあたりて世のおぼえはなやかなる御方がたにもいたう劣らず なにごとの儀式をももてなしたまひけれど とりたててはかばかしき後見しなけ ...
よになく・世になく・世に無く/よになし・世になし・世に無し 01-007

この世ならぬ。単なる比喩的表現ではなく、実際に比較を絶する様子。それは帝にとって危惧されるものであった。
先の世にも御契りや深かりけむ 世になく清らなる玉の男御子さへ生まれたまひぬ
先の世でも帝とのご縁が深かっ ...
よに・世に 01-009

非常にの意味でも使用されるが、ここでは世間ではの意味を含む。「もてかしづききこゆれ」の主体は世間。帝であれば尊敬語がつく。
一の皇子は右大臣の女御の御腹にて 寄せ重く疑ひなき儲の君と世にもてかしづききこゆれど この御にほひ ...