おやうちぐし・親うち具し/おやうちぐす・親うち具す 01-006

両親が二人とも存命で健在である。
父の大納言は亡くなりて 母北の方なむいにしへの人のよしあるにて 親うち具しさしあたりて世のおぼえはなやかなる御方がたにもいたう劣らず なにごとの儀式をももてなしたまひけれど とりたててはか ...
うちはし・打橋 01-017

建物と建物をつなぐ取り外し可能な橋。
参う上りたまふにも あまりうちしきる折々は 打橋渡殿のここかしこの道に あやしきわざをしつつ 御送り迎への人の衣の裾 堪へがたくまさなきこともあり
更衣から帝のもとへ参上な ...
うちかへし・うち返し・うち返し・うち返す・うちかへす 01-073

母君が帝を責めるその矛先を切り返す。地の文で、語り手のナレーション。
我が御心ながら あながちに人目おどろくばかり思されしも 長かるまじきなりけりと 今はつらかりける人の契りになむ 世にいささかも人の心を曲げたることはあら ...
うちのたまはせ 01-088

「うち」とあるので、つい口に出た。「言ふかひなしや」の部分がついため息交じりに口をついたのであろう。
故大納言の遺言あやまたず 宮仕への本意深くものしたりしよろこびは かひあるさまにとこそ思ひわたりつれ 言ふかひなしやと ...
うちとけぬ 01-117

気を許さない。「いとをかしううちとけぬ」はアンビバレントな(相反する感情が同居する)感情である。
御方々も隠れたまはず 今よりなまめかしう恥づかしげにおはすれば いとをかしううちとけぬ遊び種に 誰れも誰れも思ひきこえたまへ ...