けしきばみきこえたまふ 01-156

「きこえ」は「気色ばむ」の補助動詞とし、それとなくほのめかすほどの意味と解釈されている。しかし、左大臣にとって光源氏を婿にとることは家の大事であって、ほのめかす話題ではない。はっきりと伝えねばならないことだ。若い光源氏ばかりか政治の重 ...
けしきばみ 02-075

本心を外に表すことをいう(02-090参照)。この語は文脈上、「怨ず・恨む/02-076」と言い換えられている。
また なのめに移ろふ方あらむ人を恨みて 気色ばみ背かむ はたをこがましかりなむ 心は移ろふ方ありとも 見そめ ...
さればみたる 02-086

しゃれている、風流っ気がある。
木の道の匠のよろづの物を心にまかせて作り出だすも 臨時のもてあそび物の その物と跡も定まらぬは そばつきさればみたるも げにかうもしつべかりけりと 時につけつつさまを変へて 今めかしきに目移 ...
けしきばめる 02-089

気取ってと解釈されているが、思うにまかせての意味。木の道や絵所の例では、「心にまかせて作り出だす/02-086」や「心にまかせてひときは目驚かして/02-088」に当たる。この部分は気取るでも通るので、風流気の多い木枯らしの女と結びつ ...
けしきばめらむ 02-090

本心や本性を外に表すこと。指を喰う女の場合、「もの怨じ」が本心、男になびく性格が本性を覆っている。そのために至らざるところがないような見る目の情けを身につけているのだが、いざとなると本性が剝き出される。本性だから懲らしめたところで直ら ...