いかめしう いかめしく 厳めしう 厳めしく いかめし 厳めし 01-038
内部のエネルギーが外にほとばしり出る様子。母のイメージしていたよりも、葬儀の規模が壮大である。圧倒的であることに加えて、「同じ煙にのぼりなむ」と言ってはみたが、赤々とすごい炎を上げて燃え上がる厳めしいほむらを見て、気持ちが萎縮したであろうことが読み取れる。帝の情愛を受けるということは母の想像に余るのである。
限りあれば 例の作法にをさめたてまつるを 母北の方 同じ煙にのぼりなむと泣きこがれたまひて 御送りの女房の車に慕ひ乗りたまひて 愛宕といふ所に いといかめしうその作法したるに おはし着きたる心地 いかばかりかはありけむ
規則のあることだから作法どおりに葬って差し上げるが、母君は同じ煙に乗ってあの世へ行ってしまいたいと泣きこがれになり、葬送の女房の車に無体にお乗りになって、愛宕というおごそかに葬儀が執り行われている土地へお着きになったお心持ちは、どのようなものであったでしょうか、