のたまへるはかなきためし 02-150

2021-01-14A:解釈を決定づける基幹語

諸注にあるように「艶にもの恥」の例でなく、「はかなきついでの情あり/02-057」を受ける。左馬頭はその具体例として指を喰う女を挙げた。それは本心の怒りを表面的にやさしさで覆った女であった。常夏の場合、表面的な表情しか見えず、怒りも何も本心を少しも伺う知ることが出来なかったので、頭中将は頼みにすることができなかったのだ。指を喰う女よりも、こちらが「はかなき」例としては上であるということ。


これこそのたまへるはかなき例なめれ つれなくてつらしと思ひけるも知らで あはれ絶えざりしも 益なき片思ひなりけり

これこそあなたのおっしゃった心の底があてにできない女の例でしょう。感情を外に出さない質で内々恨めしいと思っていてもそれさえ気がづかず、愛情が冷めずにいたのも益体もない一方的な思い入れだったのです。

2021-01-14A:解釈を決定づける基幹語

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