れいのうらもなき 02-143

2021-01-14

頭中将の妻からの嫌がらせを受けたり、男が久しく通ってこなくても、恨みに思うことなく、心に裏がなく、こだわりやわだかまりのない状態。「恨めしと思ふこともあらむと、心ながらおぼゆるをりをりもはべりしを、見知らぬやうにて、久しきとだえをも、かうたまさかなる人とも思ひたらず/02-137」


思ひ出でしままにまかりたりしかば 例のうらもなきものから いと物思ひ顔にて 荒れたる家の露しげきを眺めて 虫の音に競へるけしき 昔物語めきておぼえはべりし

思い出すまますぐに出かけて行きましたところ、これまで通りわたしに対してはわだかまりのない様子でしたが、それでもひどく憂いに沈んだまま荒れた家の露にそぼ濡れた庭を眺め、虫の音と競うように泣いている姿は昔の物語めいた感じに思えました。

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