よのだうり 世の道理 02-115
男女の情理。要するに、男は外で浮気をするものだという理解。ただし、このことを頭で理解しているからといって、腹が立たないわけではない。プライドの高いだけに、それを口にできないので、かっかかっかと内部では火がおこっているのだ。極熱の草薬は内なる怒りを隠す。
ふすぶるにやと をこがましくも また よきふしなりとも思ひたまふるに このさかし人はた 軽々しきもの怨じすべきにもあらず 世の道理を思ひとりて恨みざりけり
焼いているのかと滑稽に感じる一方で、離縁に持ってこいの機会だと思いますのに、この賢女はいかにも軽々と嫉妬口にする様子もみせず、男と女の情理をわきまえ知って恨んだりいたしません。