しさいなき 仔細なき しさいなし 仔細なし 02-114
込み入った事情がない。単純なこと。要するに漢才だの文章道といい、愛情がどうの宿世がどうの言っても、要するに性欲に負けたのだということ。
まいて君達の御ため はかばかしくしたたかなる御後見は 何にかせさせたまはむ はかなし 口惜し とかつ見つつも ただわが心につき 宿世の引く方はべるめれば 男しもなむ 仔細なきものははべめる と申せば
まして君達の御ためには、実務的でしっかり者のお世話役はどうしてなさることがありましょう。心から頼み切れないがっかりだと思いながらも、ただもう女が気に入り、前世からの縁に引かれる面があるように思われるものですから、男こそは仔細なき代物でしょう」と申すと、