くまなげなる 隈なげなる くまなげなり 隈なげなり 02-028
暗いところのない、すべてを知りつくした、と解釈されているが、後の左馬頭の論に対して「隈なきもの言ひ/02-061」とあり、これと対比して使用されている。「げ」とあるので、一見そうだが、本当はそうでない、見かけ倒し、とのふくみを見逃してはならない。
下のきざみといふ際になれば ことに耳たたずかしとて いと隈なげなる気色なるもゆかしくて
(頭中将)下の位という身分になると、特に耳を立てる気になれないからと、えらく分け知り顔をしているのもおもしろくて、