きは きわ 際 01-126
境目。他の人との違いがはっきりと見えること。この場合特に、東宮との違いを言うのであろう。
際ことに賢くて ただ人にはいとあたらしけれど 親王となりたまひなば 世の疑ひ負ひたまひぬべくものしたまへば 宿曜の賢き道の人に勘へさせたまふにも 同じさまに申せば 源氏になしたてまつるべく 思しおきてたり
際立ってご聡明ゆえ、臣下に下すには誠に惜しいが、親王におなりになっては世の疑いを負われるは必定であると(倭相の相人が)進言するので、宿曜におけるその道の達人に判断をおさせになったところ同じように申し上げるので、源氏にして差し上げるのがよかろうとご決心なされた次第。