こころをさめざりけるほどとごらんじゆ 心をさめざりけるほどと御覧じ許すべし 心納めざりけるほどと御覧じ許すべし 心納めざりける程と御覧じ許すべし 01-086

2021-04-13

帝が処罰なさらなかった理由を語り手が推測している。


荒き風 ふせぎし蔭の枯れしより 小萩がうへぞ静心なき
などやうに乱りがはしきを 心をさめざりけるほどと御覧じ許すべし

表の歌意:強風をふせいでくれた木が枯れたのでそれ以来、小萩の身の上が心配でなりません。どうか若宮のことをお願いします。
裏の歌意:宮中を揺るがす嵐で娘が亡くなってからというもの帝は平静さを失ってしまわれた、どうか若宮のことをもっと気にかけて下さい。
などと不謹慎な詠みぶりに、気持ちが収まらない折りだからと帝は大目に見ておいでのようでした。

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