まつのおもはむこと まつのおもわむこと まつのおもわんこと 松の思はむこと 松の思はむ事 松の思わんこと 松の思わん事 01-063

2021-04-13

「いかでなほありと知らせじ高砂の松の思はむこともはづかし(どうしても自分が未だに生きているとは知らせたくないものだ、高砂の松がわたしと同じようにおまえは長生きだなと思うのも気が引ける)」(古今六帖 五)による。


命長さのいとつらう思うたまへ知らるるに 松の思はむことだに恥づかしう思うたまへはべれば 百敷に行きかひはべらむことはましていと憚り多くなむ かしこき仰せ言をたびたび承りながら みづからはえなむ 思ひたまへたつまじき

命の長さが大層つらく思い知られるにつけ、高砂の松がわたくしをどう見るか想像してさえ居たたまれませんのに、百官集う宮中に出入りするなどはまして憚り多いことで、かしこき仰せ言を度たび承りながら、わたくし自身はいかにしても、参内を思い立てそうにございません。

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