はづかしう はづかしく はずかしく はずかしう 恥づかしう 恥づかしく 恥づかし 恥ずかしう 恥ずかしく 01-056
生きながらえてきたことに加えて、帝からの使者に対して。母君の真の狙いは、光の君の価値を高めること。やすやすと帝に渡すつもりはない。表面上の言葉のやりとりと、真の狙いのズレを読み取るのがポイントになる。もちろん、命婦も承知の上で、言葉通りに受けたり、すかしたりする。
今までとまりはべるがいと憂きを かかる御使の蓬生の露分け入りたまふにつけても いと恥づかしうなむとて げにえ堪ふまじく泣いたまふ
これまで生き長らえて来ましたことが何とも心苦しいのに、このような帝のお使いが草深い家へ露に濡れながらお越しいただくにつけても、居たたまれない思いがしてと、いかにも堪えがたそうにお泣きになる。